
ハッカー集団の"身代金"要求
払うとどうなる?
【けさ知っておきたいNEWS】
テレビ朝日グッド!モーニング「けさ知っておきたいNEWS」のコーナーで解説されたNEWS内容をご紹介しています。
この解説のあと「けさ知っておきたいNEWS検定」が出題されます。
企業を狙ったランサムウェア攻撃が相次いでいます。
ランサムウェアとは、企業のデータを暗号化して使用できなくし、復旧と引き換えに身代金を要求するサイバー攻撃です。
日本企業でランサムウェアの被害を受けたとする割合は、約3年前の38%から2025年には73%へ増加。
被害の拡大とともに、「身代金を払うべきなのか」という判断を迫られる企業も増えています。
ランサムウェアの身代金
日本企業の37%が支払い
主な12カ国を対象にした調査では、被害企業の54%が身代金を支払ったとされています。
特にアメリカは93%と高く、身代金を補償対象とする保険が存在することなども背景にあるとみられています。
一方、日本は37%と比較的低い水準です。
サイバーセキュリティに詳しい日本プルーフポイントの増田幸美さんは、犯罪者への利益供与につながる身代金の支払いを避けようとする考えが、日本企業に比較的浸透している可能性を指摘しています。
身代金を払っても
データが戻るとは限らない
最大の問題は、身代金を支払えば必ず解決するわけではないことです。
アメリカの医療関連企業では、ハッカー集団から約30億円を要求され、全額を支払いました。
しかし約1カ月後、関連する別の集団から「同じ個人情報を持っている」と再び脅迫され、新たな身代金を要求されました。
一度支払った企業が「金を払う企業」と認識され、再び狙われる可能性もあるのです。
約4割が再び身代金を
要求されたケースも
日本企業を対象とした調査では、身代金を支払い、1回でアクセス権を復旧できた企業は約6割でした。
一方、残る約4割は追加の身代金を要求され、そのうち約19%は再度支払って復旧。
さらに約19%は追加要求を受けて支払いを断念したとされています。
つまり、高額な身代金を払っても、完全にデータを取り戻せる保証はありません。
暗号資産で支払うため犯人特定も困難
身代金の支払いには暗号資産が使われるケースが多くあります。
送金先を追跡しても最終的な受取人を特定することが難しく、犯人の逮捕につながりにくいことも問題となっています。
身代金を支払うことが、ハッカー集団に新たな攻撃資金を与える結果になる可能性もあります。
金銭目的だけではない
サイバー攻撃も増加
近年は、ハッカー集団の目的にも変化が見られます。
日本の大手企業が攻撃された事例では、犯行グループが「金は手段であって目的ではない」とする趣旨の政治的なメッセージを残したケースも紹介されました。
企業から金銭を奪うことだけが目的ではなく、特定の国の企業活動を混乱させたり、政治的な主張を示したりするサイバー攻撃も警戒されています。
ランサムウェア被害で
身代金を払うべき?
サイバーセキュリティに詳しい日本プルーフポイントの増田さんは原則として「身代金を支払わないことが重要」としています。
支払っても復旧する保証がなく、追加請求を受ける恐れがあるうえ、犯罪組織の活動資金になる可能性もあるためです。
企業には日頃からデータのバックアップを別の場所に保存するほか、不審なメールへの対策やシステム更新など、攻撃を受ける前の備えが求められます。
きょうのNEWS解説まとめ
ランサムウェアでは、データを人質に取られることで、企業が業務停止か身代金支払いかという厳しい選択を迫られます。
しかし、支払っても追加の身代金を要求されたり、データが完全には戻らなかったりするケースがあります。
被害を最小限にするためには、「攻撃されたら払う」のではなく、バックアップやセキュリティ対策を強化し、身代金を払わなくても復旧できる体制を整えておくことが重要です。
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