「雪国の翻訳者」に川端康成がしたことは?
【ことば検定】今日の問題と答え
グッド!モーニング「ことば検定スマート」の問題と答えを紹介しています。
林修先生が、「ことば」「漢字」にまつわる勉強になるクイズを出題して面白く解説してくれます。
ことば検定 問題
きょう6月12日は、昭和12年に川端康成の小説「雪国」が出版された日です。
有名な冒頭部分は「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」
この国境は「くにざかい」と読むのか「こっきょう」と読むのか、昔から論争があるのですが、この次の文がいいんです。
「夜の底が白くなった」。
実は、川端は何度も推敲を重ね「雪国」を完成させたので、この部分も実はもともと違っていたのです。
変更前は「国境のトンネルを抜けると、窓の外の夜の底が白くなった」と一つの文でした。
変更後の「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった」の方が、シンプルで、短くスパッスパッと切れたことによってリズムが出て、この列車が移動していく感じが伝わる思います。
「雪国」は、「千羽鶴」といった作品が、川端康成にノーベル文学賞をもたらしました。
英語に翻訳したのは、アメリカ人のE.G.サイデンステッカーさん。
そこで今日は「雪国」の翻訳者に対し、川端康成がしたことは何かという問題です。
「雪国の翻訳者」に川端康成がしたことは?
青 -何度も直しを要求
赤 -一緒に授賞式へ
緑 -その場限りの許嫁
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ことば検定 答え
赤 -一緒に授賞式へ
ことば検定 解説
きょうの解説
「雪国」の冒頭「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」は、こんなふうに訳されました。
「The train came out of the long tunnel into the snow country」i
もともとの日本語をこうやって英語にすると、「train(列車)」が加わりました。
日本語だと主語を省くことも多いのですが、翻訳者は「The train」つまりは汽車を主語にしました。
ただ、やっぱりちょっとニュアンスが違って来ちゃいました。
翻訳の場合は、仕方がないことですが、「雪国」の翻訳は特に難しかったそうで、翻訳者は「この部分はどういう意味ですか」と川端に直接聞いたこともあったそうです。
そんな時に、川端はじっくり自分の文章を読んだ後。「そうですね」とだけ言って、それ以上は何も言わなかったそうです。
川端は、翻訳版をどう思っていたのかというと、
ー川端康成さんのノーベル文学賞決定直後の会見
翻訳者のお陰を、非常に被っているるわけですね。
翻訳者が半分ぐらい。
翻訳者が半分くらいもらうべきものかも
このように、ちゃんと評価していたのです。
受賞式には、サイデンステッカーさんと一緒に出席して、演説の通訳も彼に任せました。
前回の問題
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