東京・新宿に本物の化石が買える博物館がオープン
東京・新宿に、化石好きにはたまらない珍しいコンセプトのお店がオープンしました。
その名も「買える化石博物館TOKYO」。
名前の通り、店内に展示されている本物の化石を実際に購入できるという、博物館とショップが一体になったような場所です。
今回案内してくれたのは、化石を海外から仕入れるプロフェッショナルのダイナソー鈴木さん。
毎年自ら海外へ足を運び、確かな目で厳選した化石だけを店頭に並べているそうです。
恐竜の歯から、宝石のように輝くアンモナイト、古代の魚やエビ、虫入りのコハクまで、太古の地球を感じられる貴重な化石が紹介されました。
普段、博物館では「見るだけ」の化石ですが、ここでは気に入ったものを自分のコレクションとして迎えられるのが大きな魅力です。高額なものだけでなく、数千円から購入できる化石もあり、初心者でも楽しめるスポットとして注目されています。
ティラノサウルスの歯も販売。絶対王者の迫力を間近で体感
まず紹介されたのは、誰もが知る恐竜の王者「ティラノサウルス」の歯の化石です。
およそ6600万年前、生態系の頂点に君臨していたティラノサウルスは、強靭なあごと鋭い歯を持ち、大型の草食恐竜を次々と捕食していたとされています。
気になる価格は、すべて100万円以上します。
驚くような金額ですが、2020年にニューヨークで落札されたティラノサウルスの全身化石は、恐竜化石として史上最高額となる約34億円で取引されたこともあります。
そう考えると、本物のティラノサウルスの歯を手にできる機会は、非常に貴重だといえます。
一方で、アンモナイトを半分にカットした化石などは、数千円から購入できるものもあります。
高級コレクションから手に取りやすい化石まで幅広くそろっているため、化石に詳しくない人でも楽しみやすいお店です。
宝石のように輝くアンモナイト「アンモライト」
店内には、化石でありながら宝石のように美しく輝く「アンモライト」も展示されています。
アンモライトは、アンモナイトの化石が奇跡的な条件によって虹色のように輝く宝石質へと変化したものです。
アンモナイトは、かつて海を泳ぎ回っていた生き物で、頑丈な殻で身を守りながら、小さなエビやカニなどを捕まえて食べていたとされています。
その殻が長い年月をかけて地層の中に閉じ込められ、熱や圧力を受けることで、独特の輝きを持つアンモライトへと姿を変えました。
この美しい輝きの正体は、真珠やサンゴと同じ主成分である「アラゴナイト」です。
カナダの限られた地層で積もった火山灰がアンモナイトの殻を密閉し、大地の熱と圧力によって数千万年という時間をかけて極上の宝石のような輝きが生まれたといいます。
化石化されたアンモナイトの中身として、マダガスカル産のアンモナイトを紹介。
身が消滅した空の空洞へミネラルを含む地下水が入り込み、時間をかけて天然の鉱物へと置き換わったものです。
外側は宝石のように輝き、中には鉱物が詰まっているものもあり、まさに地球の歴史が閉じ込められた奇跡の芸術作品です。
クジラの祖先「バシロサウルス」に見る進化の途中
続いて紹介されたのは、「バシロサウルス」と呼ばれる古代生物の頭骨です。
名前に「サウルス」とつくと恐竜のように感じますが、実はトカゲという意味があって、最初に発見した19世紀の学者がトカゲのような形をしていたので間違えて、その名前を付けてしまったそうです。
後々の研究で、現在のクジラの祖先にあたることがわかりました。
バシロサウルスは、およそ4000万年前の海に生きていた最強クラスのハンターで、魚や小型のクジラなどを捕食していたのですが、注目したいのが、4つのひれの部分は「足の名残」です。
バシロサウルスの化石には、かつて陸で生活していた頃の名残が見られるのです。
また、鼻の穴の位置も現在のクジラとは異なり、頭の真上ではなく顔の前方にあり、海の生活へ適応していく進化の途中を伝えています。
ニシンの祖先や古代エビに残る“変わらない形”
店内には、私たちの食卓にもなじみのある生き物の化石もあります。
そのひとつが、アメリカのグリーンリバーで見つかった「ナイティア」です。
ナイティアは、ニシンの祖先にあたる魚とされています。
化石を見ると、細かな骨までびっしり残っていることがわかります。
ニシンはおよそ5000万年前の古代から姿が大きく変わっていない原始的な魚で、細かな骨が多いのも特徴です。
ニシンそばを食べるときに骨が多いと感じるのは、実は太古から受け継がれてきた体のつくりによるものなのです。
また、1億5000万年前のエビの化石。
エビは大昔から現在とほとんど変わらない形をしており、すでに完成された体の構造を持っていたといいます。
ドイツのゾルンホーフェンで取れたロブスターの化石には、一対のハサミ脚や腹部の殻の節などの構造が残っています。
恐竜が見ていたエビと、私たちが今見ているエビがほとんど変わらないという事実に太古のロマンを感じます。
虫入りコハクから恐竜は復元できる?
最後に紹介されたのは、およそ6000万年前の樹液が固まってできたコハクです。
コハクは植物由来の宝石で、地中深くで圧力を受けて化石となり、植物生まれの宝石で独特の温かみのある輝きを放ちます。
その中には、6600万年前の虫が閉じ込められているものもありました。
映画『ジュラシック・パーク』のように、コハクに閉じ込められた虫からDNAを取り出して、古代の恐竜を復元できるのではないかと想像した人も多いかもしれません。
しかし、実際にはDNAはとても壊れやすく、長い年月の中で分解されてしまうため、映画のように恐竜を復元することは難しいそうです。
それでも、化石は太古の生き物の姿や進化の過程を今に伝えてくれる貴重な存在です。
「買える化石博物館」では、そんな地球の歴史を見て、触れて、購入できる特別な体験ができます。
恐竜や古代生物が好きな人はもちろん、珍しい博物館を訪れてみたい人にもおすすめのスポットです。
fa-check-square-o「買える化石博物館TOKYO」
営業時間: 平日午後2時~午後8時
土日祝日 正午~午後7時
定休日:火曜日(祝日の場合は営業)
アクセス: 都営地下鉄新宿線 曙橋駅から徒歩5分