芥川版の「桃太郎」、特徴は?
【ことば検定】今日の問題と答え
グッド!モーニング「ことば検定スマート」の問題と答えを紹介しています。
林修先生が、「ことば」「漢字」にまつわる勉強になるクイズを出題して面白く解説してくれます。
ことば検定 問題
昨日に続いて、芥川龍之介の話をします。
林修先生が、芥川の作品で、個人的に気に入っているのが「猿蟹合戦」という作品だそうです。
サルにいじめられたカニが仲間とともにサルを攻撃するという昔話がありました。
では、その後はどうなったと思いますか。
実は、その後を芥川は作品として描いています。
彼の作品の中では、仇討ちをしたカニとその仲間たちが、サルを退治した罪で逮捕され、裁判にかけられて不幸のどん底に落ちていくという話です。
これにはいろいろな解釈が可能だとは思いますが、林修先生は、いわゆる美談と言われるような話の中で、日本人が情緒的に行動することへのけん制するような態度で書いたのかなと思っているそうです。
そして、実は芥川は「桃太郎」も書いています。
今日はそんな芥川が書いた「桃太郎」の特徴は何かという問題です。
芥川版の「桃太郎」、特徴は?
青 -鬼が仲間に
赤 -桃太郎が悪人
緑 -引き取ってあげる
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ことば検定 答え
赤 -桃太郎が悪人
ことば検定 解説
きょうの解説
「桃太郎」と芥川版「桃太郎」
そもそも「桃太郎」は、鬼退治をしに行く話です。
芥川の「桃太郎」も鬼退治へ向かう流れは原作と同じです。
しかし、登場人物のキャラクターが大きく違っています。
例えば、「桃太郎」に出てくる鬼は、横暴で怖いイメージがあります。
芥川版「桃太郎」の特徴
ところが、芥川版「桃太郎」では、鬼は平和を愛する種族で、鬼ヶ島で家族と一緒にのんびり暮らしていました。
逆に、桃太郎は「山だの川だの畑だのへ、仕事に出るのがいやだったせい」という理由で鬼の征伐を思い立っています。
桃太郎は平和に暮らしている鬼を理由なく征伐し、宝を全て奪い取ってしまう悪人として描かれていました。
この芥川版「桃太郎」は、大正13年に発表されていますが、その前に芥川は中国に行っていて、そこで激しい反日感情に触れています。
桃太郎を傍若無人な侵略者として描いたこの作品は、芥川流の帝国主義への風刺だったのでは? とも言われています。
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