日本で最初に「第9」が演奏された場所は?
「グッド!モーニング」 ニュース検定 -池上彰-
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池上彰 ニュース検定
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日本で最初に「第9」が演奏された場所は?
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池上彰さんの解説
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ベートーベン生誕250年【武士の情け】
「第九」日本最初に演奏された捕虜収容所
昨日お伝えした「交響曲第九番」通称「第九」が日本で最初に演奏されたのは1918(大正7)年でした。
今から100年ほど前だったのです。
さらに演奏された場所が意外でした。
さらに演奏された場所が意外でした。
捕虜の収容所だったのです。
当時は、第一次世界大戦下で日本各地の捕虜収容所に敵国だった数多くのドイツ兵が収容されていました。
そのドイツ兵が故郷の音楽家・ベートーベンの「第九」を演奏したのです。
舞台は、徳島県にあった板東俘虜収容所です。
所長の松江豊寿は、捕虜になったドイツ兵に可能な限り自由な活動を許しました。
捕虜たちは菓子店を開いたり、スポーツをしたり、さらに音楽活動も認められていました。
そこで、1918年6月1日、日本で初めて「第九」の全曲が演奏されたのです。
所長の松江豊寿は、捕虜になったドイツ兵に可能な限り自由な活動を許しました。
捕虜たちは菓子店を開いたり、スポーツをしたり、さらに音楽活動も認められていました。
そこで、1918年6月1日、日本で初めて「第九」の全曲が演奏されたのです。
この日、ドイツ人の捕虜たちは、本来の楽器が揃わなかったため、間に合わせの楽器を使って演奏会を行いました。
この収容所では、捕虜と地元住民との交流もあったことから、友愛の精神にあふれた"奇跡の収容所"として高く評価されました。
「第九」日本とドイツの友好の礎を象徴
どうして所長の松江は捕虜に対してそんなに優しく接したのかというと、実は松江自身もかつて苦しい境遇にあったからなのですね。
松江の父は、明治維新で政府側の敵となった賊軍・会津藩の出身でした。
松江自身も苦しい生活を送り、敗れた側の心情がよくわかったのです。
敗者となったドイツ人への思いやりの心も忘れませんでした。
いわば「武士の情け」を貫いた人物だったのです。
「第九」は日本とドイツとの友好の礎を象徴するような曲でもあるのです。
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