
米国産ジャガイモ輸入解禁か 2つの懸念
【けさ知っておきたいNEWS】
グッド!モーニング「けさ知っておきたいNEWS」のコーナーで解説されたNEWS内容をご紹介しています。
この解説のあと「けさ知っておきたいNEWS検定」が出題されます。
アメリカ産生ジャガイモ
輸入解禁を協議
自民党の会合で、これまで厳しく規制されてきたアメリカ産の生ジャガイモの輸入解禁について協議が行われました。
日本国内のジャガイモ生産量は236万トンで、海外からの輸入も120万トンありますが、そのほとんどは加工済みや冷凍済みのものです。
生のジャガイモに関しては、輸入後すぐに加工工場へ運ぶポテトチップス向けのみが許可されており、全体のわずか3%にすぎません。
アメリカは2020年に日本へ生ジャガイモの輸入拡大を要請しており、農水省が検討を進めてきた経緯があります。
消費者には朗報
価格が3〜4割安くなる可能性
農作物の輸出入に詳しい専門家によると、輸入が解禁されればスーパーなどでの価格が3〜4割安くなる可能性があるということです。
アメリカは世界4位の1900万トンという大規模な生産量を誇り、効率的な農場運営で低コストを実現しているためです。
肉じゃがやポテト料理など日常的に使う食材が値下がりするのは消費者にとって嬉しい話です。
しかしその一方で、農家や食料安全保障の観点からは懸念の声が上がっています。
国内のジャガイモ生産量はすでに減少傾向にある中、安価なアメリカ産が大量に流通すれば農家の収入がさらに不安定になる恐れがあります。
また国内生産が減ることは、いざという時の食料安全保障の面でもリスクになると指摘されています。
根絶困難な害虫リスク
北海道では10年以上被害が継続
もう一つの深刻な懸念が病害虫のリスクです。
アメリカのアイダホ州の一部では「ジャガイモ シロシストセンチュウ」という害虫の被害が報告されています。
人体への影響はないものの、ジャガイモの根に寄生して作物を枯らし収穫量を大幅に減らします。
さらにジャガイモはナス科の植物であるため、同じナス科のナスやトマトの生産にも影響が出る恐れがあります。
厄介なのは一度発生すると根絶が極めて困難という点です。
2015年に北海道・網走の一部地域で国内初の外来害虫が確認されましたが、10年以上経った今もなお除去しきれず生産ができない状態が続いています。
専門家は「産地偽装などで害虫に侵された種芋が流通すれば、日本の畑が広範囲で汚染される恐れがある」と強く警告しています。
仮に輸入を解禁するとしても、流通に新たな規制を設けるなど慎重な対策が不可欠だという指摘です。
消費者メリットと農業・安全保障・防疫リスクをどうバランスさせるか、難しい判断が求められています。
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