「里帰り」本来は"誰"が実家に帰る?
ことば検定スマート 林修
テレビ朝日「グッドモーニング」の林修「ことば検定スマート」の内容と解説を紹介しています。
林修先生が、「ことば」「漢字」にまつわる勉強になるクイズを出題して面白く解説してくれます。
「ことば検定スマート」
きょうは12月27日、今年もいよいよあと1週間を切りました。
この時期は、生まれた家で正月を迎えるために故郷へ帰る人が多いでしょうね。
それを「帰省」、「里帰り」と言います。
この「帰省」という言葉は、中国から入ってきたもののようです。
「省」という字は、"はぶ(く)"と読み、他の訓読みとして"かえり(みる)"とも読みます。
この「帰省」という言葉の意味は、"故郷に帰ってお父さんお母さんの様子を省みる"、つまりは、"安否を問う"という意味の言葉になります。
「里帰り」という言葉は、今は「帰省」とほぼ同じような意味で使えます。
しかし元々は、ある特定の人が、実家に帰ることを指す言葉だったようです。
そこでそれは、誰が帰ることを指すかという問題です。
きょうの問題
「里帰り」本来は"誰"が実家に帰る?
青 -新婦
赤 -僧侶
緑 -首元に白い粉
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きょうの答え
青 -新婦
【本日の 緑 のボケは?】
「里帰り」ではなく「砂糖が襟」というボケでした
きょうの解説
【「里帰り」本来は"誰"が実家に帰る?】
室町時代からあった「里帰り」
「里帰り」という言葉は、室町時代の終わりには使われていたようです。
その頃の、狂言をまとめた文献に登場しています。
江戸時代では、奉公人が実家に帰ることも「里帰り」と言っていたようです。
江戸の商家で、奉公人が実家に帰れる休日は年間で2日しかありませんでした。
旧暦1月16日(正月)と7月16日(お盆)の2日で、この休みのことを藪入りと言います。
旧暦1月16日(正月)と7月16日(お盆)の2日で、この休みのことを藪入りと言います。
「里帰り」新婦が初めて生家に行く儀式
そして今日の正解は、江戸時代よりももっと前の「里帰り」です。
かつては、結婚後 夫婦揃ってお嫁さんの実家へ行く儀式がありました。
結婚後、3日目か5日目に行くことが多かったようです。
というのは、昔は「嫁入り」の認識が強くて、祝言や披露宴にお嫁さん側の親族が出席することはなかったようです。
そこで「嫁入り」が無事終わったことの報告と、婿としての挨拶のために実家を訪れたということでで、これが本来の「里帰り」だったのです。
実際に広辞苑にも、1番目の意味として、"結婚後、新婦が初めて生家に行く儀式"と載っています。
ということで、正解は「新婦」でした。
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