
「ラピダス」日本の半導体復権へ官民で協力
【けさ知っておきたいNEWS】
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この解説のあと「けさ知っておきたいNEWS検定」が出題されます。
「ラピダス」日本の半導体復権へ官民で協力
AIや自動運転などで使われる次世代半導体をめぐり、日本の半導体企業「ラピダス」に大きな注目が集まっています。
高市総理とラピダスの小池社長が面会し、来週にはイギリスとイタリアの公的機関と研究開発に関する協力覚書を交わすことが報告されました。
これにより、技術協力だけでなく、ヨーロッパでの顧客獲得にも期待が高まっています。
ラピダスは、次世代半導体の量産を目指して2022年に設立。
トヨタ、ソニー、NTTなど日本を代表する大手企業8社が出資しているほか、日本政府も強力に支援しています。
今月5日には1500億円の追加出資が発表され、これまでの支援総額は2兆6000億円規模にのぼり、まさに官民一体で、日本の半導体復活をかけたプロジェクトといえます。
ラピダスが目指す次世代2ナノ半導体
現在、次世代半導体の分野で世界をリードしているのは、台湾のTSMCです。
TSMCは回路線の幅 2ナノメートルの半導体量産に成功しており、採算が取れるレベルで量産できる企業は世界でも限られています。
「ナノ」とは10億分の1を表す単位で、回路線幅が小さいほど処理速度が速く、消費電力も抑えられます。
AIや自動運転など、高度な計算処理が求められる分野では、この微細化技術が非常に重要になります。
ちなみに日本の現在の半導体技術は、量産レベルで見ると40ナノ程度とされており、2ナノを目指すラピダスの挑戦は非常に大きなものです。
それでも、ラピダスは来年度に2ナノ半導体の量産を始める目標を掲げています。
かつて世界をリードした日本の半導体産業
日本の半導体産業は、かつて世界をリードしていました。
1988年には、日本企業が世界シェアの半分以上を占めていた時代もあります。
1992年の半導体売上ランキングでは、トップ10のうちなんと6社が日本企業でした。
しかし、その後は韓国や台湾の企業が台頭し、日本の半導体産業は低迷していきます。
業界再編も進み、1999年にはNECと日立製作所の半導体部門が統合し、エルピーダメモリが誕生しました。
エルピーダメモリは半導体メモリ「DRAM」分野で世界3位まで上り詰めましたが、2008年のリーマンショックで経営が悪化し、2012年に経営破綻しました。
負債総額は4480億円にのぼり、投入された公的資金のうち国民負担となった額は277億円とされています。
こうした苦い経験を経て、日本の半導体復権をかけて立ち上がったのがラピダスです。
製造に特化するラピダスの戦略
半導体アナリストによると、かつて日本企業は設計から製造まで、すべての工程を自前で行う傾向がありました。
それが過去の失敗につながった面もあるといいます。
一方、ラピダスは製造のみに特化する戦略を取っています。
設計などの分野は他の企業に任せ、得意な製造に集中することでリスクを分散する形です。
これは、現在の半導体産業で主流となっている分業型のビジネスモデルに近く、ラピダスの強みになる可能性があります。
今後の課題は、製品の品質基準を満たす割合をどこまで高められるかです。
TSMC並みの歩留まりを実現できるかどうかが、量産成功の大きなポイントになります。
「TSMC」並みに高められるか
ラピダスは、日本の半導体産業復活をかけた重要な企業です。
政府と大手企業が一体となって支援し、2ナノ半導体の量産という高い目標に挑んでいます。
成功すれば、巨額の支援資金の元を回収できるだけでなく、日本が再び世界の半導体競争で存在感を取り戻す可能性があります。
しかし失敗すれば大変なことになると分析されています。
かつて世界をリードした「日の丸半導体」が復活できるのか。
ラピダスの挑戦は、日本の産業競争力の行方を左右する大きな試金石になりそうです。
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