
「山田工業所」職人の結晶 家庭に欲しいこだわり鉄鍋
【GOOD!いちおし】
グッド!モーニング「Good!いちおし」のコーナーで紹介された内容をご紹介しています。
日本の食を支えるのは、職人が手間暇かけて作る鉄製の鍋やフライパンです。
その工場には、残していきたい職人の技がありました。
プロの料理人も愛用する鉄の鍋とフライパン
日本の食を支えている道具のひとつに、職人が手間暇かけて作る鉄製の鍋やフライパンがあります。
今回の「GOOD!いちおし」では、横浜で昭和32年に創業した「山田工業所」が紹介されました。
山田工業所は、鉄の中華鍋やフライパンを製造する老舗メーカーです。
3代目の山田憲治さんは、鉄の鍋を作り続けて30年。
プロの料理人からも高い信頼を集める鉄製調理道具を、今も昔ながらの職人技で作り続けています。
山田工業所の中華鍋は、横浜中華街の料理人をはじめ、多くのプロが愛用しています。
料理の仕上がりを左右する火の通り方や、長年使っても変形しにくい耐久性が評価されているのです。
5000回叩いて作る「打ち出し」の中華鍋
山田工業所の中華鍋作りは、まず鉄の板を丸く切り出すところから始まります。
見た目は平らな鉄板ですが、手に持つとずっしりとした重みがあります。
一般的には、プレス機で一気に形を作る製法をイメージするかもしれませんが、山田工業所では「打ち出し」と呼ばれる製法で鍋を作ります。
鉄板をハンマーで何度も叩きながら、少しずつ鍋の形へと変えていくのです。
その叩く回数は、なんと約5000回。
何度も叩くことで鉄の分子が細かくなり隙間が埋まり、密度が高まることで丈夫で強い鍋に仕上がるといいます。
さらに、叩く場所によって回数を変えることで、鍋の厚さも調整しています。
熱伝導をよくするため、鍋の側面の鍋肌は約0.6mmと薄く、耐久性が必要な鍋底は約1.2mmと厚く作られています。
職人がたどり着いたこの厚さの違いが、使いやすさと丈夫さを両立させているのです。
5000回叩き終えて鍋の形ができると、職人の目で一つひとつ確認します。
少しでも納得できない形があれば、職人の手で微調整を行います。
その後、電動ヤスリで鍋のふちを丸め、作業中にできた突起を滑らかにしていきます。
そして、山田工業所の打ち出しの証であるロゴを刻印。
取っ手の形成は料理人の安全に関わる作業で、ひとつひとつ丁寧に世浦津氏完成です。
戦後のドラム缶から始まった山田工業所の技
山田工業所の歴史は、戦後の物資が不足していた時代にさかのぼります。
創業者である初代・山田久男さんは、ドラム缶の底板や上板を切り抜き、ハンマーで叩いて中華鍋を作っていました。
その技術力が認められ、やがて横浜中華街などで使われるようになったのです。
二代目の山田豊明さんもその技を受け継ぎ、今の山田工業所の土台を築いてきました。
四川飯店の有名な料理人・(故)陳建一さんも使っていたとされ、プロの世界で信頼されてきた歴史がうかがえます。
鉄鍋が料理をおいしくする理由
山田工業所の鉄鍋は、横浜中華街の厨房でも使われています。
プロの料理人によると、打ち出しで作られた鍋は厚さが計算されており、熱が均等に伝わるためとても使いやすいそうです。
鉄の鍋の実力がわかるというのが、青菜炒めです。
鉄は熱をたっぷり蓄えるため、野菜を入れても高温を保ちます。
野菜の水分が蒸発する前に表面を一気に焼き固めるため、シャキッとした食感と本来のうまみを引き出すことができます。
また、鉄の表面には打ち出しによる細かな凹凸ができるため、油がよくなじみます。
使い込むほどに油の膜が育ち、調理しやすい鍋になっていくのも鉄鍋の魅力です。
ただし、長持ちさせるためには扱い方も大切です。
プロの料理人が絶対にやらないこととして紹介されたのが、洗剤で洗うことです。
洗剤を使うと、せっかくできた油の膜が剥がれてしまいます。
調理後は、たわしなどを使って水で洗い流し、サビを防ぐために必ず水分を拭き取ることが大切です。
家庭でも使いたくなる一生ものの鉄フライパン
20年以上ずっと山田工業所の鉄のフライパンを使い続けるは、イタリア料理店「トラットリア ウラヌス」の山中隆弘さんです。
長年プロの現場で使っても変形しにくく、熱の伝わり方が優れていると評価していました。
山中さんの店では、創業当時からの人気メニューであるハンバーグを、山田工業所の鉄フライパンで焼いています。
国産の牛肉と豚肉を使ったハンバーグの表面をあっという間に焼き上げ、フライパンのままオーブンへ。
外はカリッと、中は柔らかく仕上がるのは、鉄のフライパンならではの火の入り方があるからです。
番組では、山田工業所のフライパンとアルミ製のフライパンでバゲットを焼き比べる実験も行われました。
鉄のフライパンは1分もたたないうちに焼き色がつき、アルミ製よりも早く仕上がりました。
食べ比べると、鉄で焼いた方は外がパリッとしながら中のもっちり感が残っていたといいます。
次世代へ受け継がれる職人の技
山田工業所では、家庭向けの鉄フライパンや片手鍋も製造しています。
家庭用の中華鍋には木の柄をつけ、持ち手が熱くなりにくい工夫もされています。
鉄のフライパンは取っ手を長くすることで手元が熱くなりにくく、縁を外側に開くことで食材を返しやすくしているそうです。
来年で創業70年を迎える山田工業所には、新しい世代も加わっています。
4代目となる山田堅志朗さんです。
職人不足が課題となる中、若い世代が伝統の技を受け継ごうとしている姿は、とても頼もしく感じられます。
鉄の鍋やフライパンは、手入れをしながら長く使える一生ものの道具です。
そこには、料理をおいしくしたいという職人の思いと、日本の食を支えてきた確かな技術が詰まっています。毎日の食卓の裏側には、こうしたものづくりの力が息づいているのです。
| 山田工業所の鍋とフライパン 販売店/プロキッチン 問い合わせ先/03-④212-8255(土日祝)休み |
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