
「花王」「TOTO」 日本の隠れ半導体企業に脚光
【けさ知っておきたいNEWS】
グッド!モーニング「けさ知っておきたいNEWS」のコーナーで解説されたNEWS内容をご紹介しています。
この解説のあと「けさ知っておきたいNEWS検定」が出題されます。
AI半導体関連銘柄の人気が続く中、日経平均株価が最高値を更新し、半導体関連企業への注目がさらに高まっています。
キオクシアや東京エレクトロンのような、いかにも半導体に関わる企業だけでなく、一見すると半導体とは結びつかない「隠れ半導体企業」にも関心が集まっています。
その代表例として番組で紹介されたのが、「花王」と「TOTO」です。
どちらも洗剤やトイレ、洗面台のイメージが強い企業ですが、実は長年培ってきた技術が、最先端の半導体製造に欠かせない存在になっています。
花王の洗浄技術が半導体製造で活躍
「花王」と聞くと、洗剤やボディソープ、シャンプーなどを思い浮かべる人が多いかもしれません。
しかし、花王が約140年にわたって磨いてきた「洗浄の技術」は、半導体の製造現場でも重要な役割を果たしています。
半導体は、回路の幅が10億分の1mという非常に小さな単位で作られるため、わずかな異物や微粒子が残るだけでも回路不良につながる可能性があります。
半導体の製造工程は500~700工程にも及びますが、そのうち3割~4割が洗浄工程にあてられるほど、汚れを落とす作業は重要です。
従来の洗浄では、どうしても細かな汚れが残ることがありました。
そこで生かされているのが、花王が衣類や髪の毛の表面を傷つけずに汚れを落としてきた技術です。
この技術によって、半導体の表面に残る汚れをよりきれいに洗い流すことができるようになりました。
花王は、半導体製造用の洗浄薬剤で世界シェア約6割を占め生活用品のイメージが強い企業が、実は世界の半導体産業を支えているのです。
TOTOのセラミック技術も半導体に欠かせない
もうひとつの隠れ半導体企業として紹介されたのが「TOTO」です。
TOTOといえば、トイレや洗面台などの水回り製品で知られています。
その強みは、陶器やセラミックを歪みなく、均一で滑らかに焼き上げる技術です。
トイレや洗面台は、表面に凹凸があると汚れが残りやすくなります。
そのため、TOTOは長年、汚れがつきにくい、つるつるとした表面を作る技術を磨いてきました。
この技術が、半導体製造に使われる「基板を固定する台」に生かされています。
半導体の製造では、基板を極めて正確な位置に固定する必要があり、台の表面にわずかな凹凸があるだけでも基板がずれてしまい、製造に影響が出る可能性があります。
TOTOのセラミック製品は表面の凹凸が少なく、熱への耐久性も高いため、半導体製造の現場で高く評価されています。
TOTOは決算発表で半導体関連への巨額投資を明らかにし、株価も大きく値上がりしました。
今では営業利益の半分以上を半導体関連が占めているとされ、もはや「トイレのTOTO」というイメージだけでは語れない企業になっています。
生活の中で身近な製品を作ってきた企業が、最先端技術の分野でも存在感を高めていることは、日本のものづくりの強さを感じさせます。
日本のものづくりが半導体産業を支える
半導体産業に詳しい専門家によると、かつての半導体ビジネスは、設計、開発、製造、組み立てまでをひとつの企業が一貫して行う形が一般的でした。
しかし現在は、工程ごとに専門企業が細かく分担するサプライチェーンが整っています。
その結果、特定の分野で高い技術を持つ企業が、半導体産業に参入しやすくなりました。
花王は洗浄、TOTOはセラミック製の台という、自社が得意としてきた技術を生かして、世界の半導体製造に欠かせない存在になっています。
今後も「隠れ半導体企業」に注目
花王やTOTOは、一見すると半導体とは関係がないように見える企業です。
しかし、洗剤やトイレで培ってきた技術が、最先端の半導体製造に生かされています。
半導体はAIやスマートフォン、自動車など、これからの社会を支える重要な部品です。
その製造を陰で支えているのが、日本企業の細やかなものづくり技術です。今後も、意外な企業が「隠れ半導体企業」として注目される場面が増えていきそうです。
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