読書家の方におすすめの一冊を語る
【読書LOVERS】 満島ひかり・又吉直樹
読書家の方におすすめの一冊を語っていただく「読書LOVERS」。
今回の読書家は、プライベートでも親交があるという満島ひかりさんと又吉直樹さん。
又吉さんといえば、2015年「火花」で芥川賞を受賞。
作家としても大活躍されていますが、満島さんも小さい頃から本が大好きだったそうです。
ー満島ひかりさん
学校行くときも帰る時も、本以外何も見てなかった。
そんなお二人のおすすめ本は?
又吉直樹さんおすすめ本
又吉さんが、強く刺激を受けた一冊
「列」中村文則 |
気がついたすごい長い列の自分が並んでて、その列が一体何なのかと分からなかったり、すごい不思議な世界から始まる小説。
著者の中村文則さんは、2005年又吉さんと同じ芥川賞を受賞。
「銃」や「教団X」など、人間とは何かを追求する小説を多く描いてきました。
そんな中村さんの最新作が、又吉さんおすすめの一冊「列」。
物語の冒頭、男は先頭も最後尾も見えない長い列に並んでいた。
しかも、なぜこの列に並んでいるのか?
男自身、その理由はわからない。
列に並んでいると、進みの早い隣の列を羨んだり、列を離れたくなるような噂を流す者が現れる。
しかし、誰も別から離れることはできない。
「これが人生だよ」
不思議な列から、他者との関わり、そして人間の心理に鋭い視点で切り込んだ作品です。
満島ひかりさんおすすめ本
満島さんが、読んで思わずハッとさせられた一冊。
トルストイ民話集「イワンのばか」 |
ロシアの文豪トルストイによる名作民話「イワンのばか」。
昔、ある国に3人の兄弟が住んでいた。
長男のセミョーンは軍人となり、兵力で人を従え、次男のタラースは商人となり、金持ちに。
一方、三男のイワンは年老いた親を養うため、地道に働いていた。
そんな3兄弟を見た村の悪魔は、兄弟たちに罠を仕掛ける。
その結果、軍人のセミョーンは戦争で負け、商人のタラースは一文無しになってしまう。
しかし、誠実に生きるイワンだけが、悪魔の企みに乗らず、やがて国を治める王となり、さらには助けを求めてやって来た兄2人のことも快く受け入れ、養うのだった。
民話で描かれている世界は、今よりも古いはずなのに、今よりも新しい感性があるのがすごく好きでそうです。
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